職員自ら「JAところ」の事業活動を紹介する「JAのお仕事のぞき見」。第14回は、令和8年度ホームページ運営委員が贈る「職員のとある一日編」三人目は販売課畜産係の佐藤さん!販売課運営委員の佐々木さんが、その仕事ぶりを紹介します。先輩職員紹介にも登場した佐藤さんは、入組2年目。1年目は他部署で勤務し、販売課で畜産業務を担当するようになったのは今年4月から。今回は、牛の集荷や市場での販売、JAところ川東牧場(育成牧場)での作業など、畜産担当の仕事を紹介します。
■畜産担当ではどんな仕事をしていますか?
主な仕事は、牛の集荷や市場での販売です。組合員さんから出荷される牛を集め、市場へ運び、競りにかけます。また、JAの育成牧場で預かっている牛の飼養・繁殖管理に伴う牛集めや獣医師さんの補助なども畜産担当の仕事です。販売課で畜産業務を担当してからまだ数か月ですが、現在は一人で一般市場へ行き、牛の販売を任されることもあります。初めて市場へ行ったときに感じたのは、「意外と静かだな」ということでした。「競りなので、もっと騒がしいイメージがあったんです。でも、実際はスイッチ式の競りだったので、思っていたより静かでした。」
■売るタイミングを決める「スイッチ」
個体販売では、低い価格から競りが始まり、金額が徐々に上がっていきます。売り手はスイッチを押し続け、売りたい金額になったところでスイッチを離します。買い手側も価格を見ながら判断し、双方の条件が合うと売買が成立します。販売額を考える際には、その日の市況だけでなく、すでに販売された牛の状態や体重なども確認します。「自分が出品する牛と、ほかで売れた牛の状態や体重を比べながら、この牛ならどのくらいになりそうかを考えて、目標額を決めます。」牛の相場はいつも同じではありません。季節的な要因や、その日の出品頭数などによっても変わります。希望する金額まで待てば必ず売れるわけではなく、買い手との価格が合わなければ売買が成立せず、牛を持ち帰ることもあります。その日の市況を見ながら、どのタイミングでスイッチを離すのかを判断します「市場で牛を売ったときに、その牛が競りで高く売れたときや、組合員さんからの希望価格に応えることができたときは、『売れてよかった』という安心と達成感があります。」最近の市場では、組合員さんから希望されていた金額より数千円高く販売することができました。「同じような牛も出品されていたんですけど、それより高く売ることができたんです。」売れずに持ち帰ることなく、希望されていた価格を上回って販売できたことが自信につながったそうです。販売結果を伝えた組合員さんにも喜んでもらうことができました。
一方、販売課運営委員の佐々木係長は、「今回は時期が良かったこともある」と話します。「成功体験は成功体験として大事です。でも、毎回うまくいくわけではありません。出品頭数が増えれば、相場が下がることもあります。市況を見ながら判断して、思うような結果にならなかったときには、なぜそうなったのかを組合員さんにきちんと説明できるようにならないといけないですね。」牛を少しでも良い条件で販売するだけでなく、市況を見ながら判断し、その結果を組合員さんへ説明することも畜産担当の仕事です。

■牛に触ったこともないところからスタート
販売課で畜産業務を担当するまで、佐藤さんは牛に触った経験もありませんでした。「最初は牛に触ったこともなくて、個体の良し悪しも分かりませんでした。」先輩職員や市場で会う他JAの担当者にも牛の見方や販売について教えてもらいながら、少しずつ経験を重ねてきました。「一人で市場へ行って販売できたときは、うれしかったですね。」現在では、一人で一般市場へ行き、自分で市況を確認しながら販売する機会も増えています。「個体販売は、その日に何頭出品されているかや、季節的な要因でも相場が変わります。これからもっと相場感を養いながら、市場に挑んでいきたいです。」
■JAところ川東牧場での仕事
市場で牛を販売する一方、JAところ川東牧場では繁殖管理に関わる仕事もあります。JAところ川東牧場では、組合員や近隣JAから育成牛を預かり、放牧しながら種付けや妊娠確認などの繁殖管理を行い、農家さんのもとへ戻しています。放牧期間は5月下旬から10月下旬で、約170頭の牛を預かっています。妊娠鑑定を行う際には、広い放牧地にいる牛を集め、いったん小さな区画へ移動させたあと、一頭ずつ鑑定できるよう細い通路へ誘導していきます。
牛を引く作業も、最初からうまくできたわけではありません。「牛を引くときに暴れたりする牛もいて、引っ張っていくのが大変でした。でも、いろいろな牛を引いていく中で、動き方やその牛の性格などを理解することで、少しずつ引けるようになりました。」作業中には、牛へやさしく声を掛けながら誘導する姿も見られます。「特に意識して声を掛けているわけではないんですけど、なんとなく、生き物なので話したら言うことを聞いてくれるんじゃないかなって思って(笑)」
牛を移動させる際には、牛の頭に「もくし」を掛け、ロープを使って誘導することもあります。佐々木係長から教えられたのは、「ダメだと思ったら放せよ」ということでした。「牛が急に勢いよく動いたときに、ロープを握ったままだと指をけがすることもあります。無理だと思ったら放すことも大事です」と佐々木係長。佐藤さん自身も、安全には特に気を付けています。「牛はとても力が強く、気を抜くとけがにつながるので、牛の動きをよく見て、どう動くかを考えながら仕事をしています。」
この日の牛集めでも、佐藤さんと佐々木係長、牧場長が声を掛け合いながら、牛を一頭ずつ鑑定場所へ誘導していきました。

JA川東牧場で繁殖検診を行う獣医師の補助も。牧場長が笑顔でその様子を見守っています
■先輩から学び、少しずつ経験を重ねる
販売課で畜産業務を担当するようになってから、市場で牛を見ること、販売額を判断すること、牛を安全に扱うことなど、一つずつ仕事を覚えてきた佐藤さん。市場での販売では、良い結果になることばかりではありません。また、牛という生体を扱う仕事だからこそ、想定どおりにいかない場面もあります。
佐々木係長は、今後の佐藤さんについて、「生体を売買する仕事ならではのトラブルもあります。そういうことにも、一つずつ対応できるようになっていってほしいですね。」と話します。市場の状況を判断する力だけでなく、うまくいかなかったときにその理由を組合員さんへ説明し、対応していくことも求められます。そのためにも、日頃から組合員さんとの信頼関係を築いていくことが大切です。

■とある火曜日のスケジュール

■これから
「これからもっと相場感を養いながら、市場に挑んでいきたいです。」
牛に触ったこともないところからスタートし、現在では一人で市場販売を任されるようになった佐藤さん。これからも市場や育成牧場で経験を重ねながら、畜産担当としてできる仕事を一つずつ増やしていきます。

