8月に入り、常呂町での玉葱の収穫作業が本格的に始まりました。
今年は植付時期がやや遅れたことが懸念されていましたが、苗が老化する前に定植できたことと、生育期間中の天候が良好であったことから、生育は順調に進み、昨年度を大幅に上回る収量となりそうです。
畑に植えられた玉葱は太陽の光と雨を受け、順調に生育し、やがて根元が膨らんでさらに肥大し、玉葱の形になります。地上の葉は倒れ、徐々に色が抜け、玉葱が黄金色に変わると収穫です。
さて、今回は玉葱の収穫の模様をお届けいたします。
ところで、みなさんはお店で見かける玉葱は葉や根が切られたものが売られていますよね。
実は、それは工場で処理するのではなく、生産者が処理をすることをご存知でしたか。
常呂町では390ha(東京ドームおよそ83個分)という広大な畑で玉葱が作られているので、1つ1つを手で処理することはできません。
すべて機械化して効率よく収穫し、葉や根が処理されているわけです。
今回はそんな一連の作業をご紹介します。
◆収穫作業① 根切り作業


この機械を根切り機(デガー)と呼びます。収穫作業の最初に行うのがこの根切り作業です。
デガーには長い刃がついていて、これを土の中に潜らせ、玉葱の玉の下を走らせます。
玉葱の玉自体は畑から顔を出していますが、根が土中に張ってあり固定されている状態なので、この刃を玉の下で引っ張っていくことで根を切っていくのです。もちろん、生産者は玉葱本体を削らないよう細心の注意を払います。
◆収穫作業② 玉葱拾い作業


この機械をピッカーと呼びます。根切りが終わった玉葱はしばらくの間畑で乾燥させ、鮮やかな黄金色に仕上げます。その次に行うのが、ピッカーによる玉葱の拾い上げ作業です。ピッカーの前方では拾い上げる装置(?)が浅く土の中に潜り、玉葱をドンドコドンドコ拾い上げていきます。この過程で余計な土が落ち、玉葱が葉っぱ付で拾い上げられます。ピッカー後方にはスチールコンテナがセットされていて、拾い上げられた玉葱がどんどん入っていきます。なお、玉葱が写真の位置(右写真)からスチールコンテナの底にそのまま落下すると打撲になるので、スチールコンテナを傾けた状態(左写真のスチールコンテナのように)でやさしく拾っていきます。
ちなみに、乾燥した畑でのピッカー作業は土ぼこりがすごいので、顔を真っ黒にして作業することになります(*´ω`*)ニッコリ。
◆収穫作業③ 葉切り作業(タッピング)

(写真は1枚しか用意できませんでしたが…)これがタッパーと呼ばれる葉切り用機械です。葉付玉葱がスチールコンテナに収められた後、最後の作業がこのタッピング作業。いわゆる葉切り作業です。写真右女性の奥にスチールコンテナが返されていますが、タッパーでスチールコンテナを反転させ、収納されている葉付玉葱をタッパーのラインに流します。するとタッパーの中にある刃が玉葱を傷つけることなく葉をどんどん処理していき、処理された玉葱が写真のように流れてきます。あとは、タッパーで処理しきれなかった葉を人間がハサミで切り落とし、さらにここで腐ったものや傷ものなどの規格外玉葱などを分別していき、根と葉が処理された規格内玉葱が再びスチールコンテナに収納されます。
あとは、玉葱が収納されたスチールコンテナを選別工場に搬入し、玉葱を選別、箱詰めし全国各地に届けられるようになるのです。
北海道産玉葱、特に北見産玉葱を見かけたら、こんな風景を思い描きながらおいしい玉葱をご賞味ください。