玉ねぎ

玉ねぎ

おいしい玉ねぎが育つオホーツク気候
少ない降水量と一日の寒暖差が決め手

メインとしても隠し味としても、料理に欠かせない玉ねぎ。球がしまっていて、ずっしり重さがあるものが「新鮮でおいしい」とされています。おいしく育つために欠かせないのは、昼夜の寒暖差。この気温差が、玉締まりの良い良質な玉ねぎを育みます。また、ところ町の年間雨量700ミリという全国有数の降水量の少なさも重要なポイント。玉ねぎは収穫前に根切りし、約1~2週間程度圃場でしっかり乾燥させることで艶の良い保存に適した玉ねぎになります。町内の玉ねぎ選果場で出荷に向けてパッケージ化され道内はもちろん、遠くは道外各地へ送られています。

玉ねぎ栽培スケジュール

生産者の声

生産者の声(田渕 浩基 さん(右)とご家族)
田渕 浩基 さん(右)とご家族

自分の作った玉ねぎを楽しみにしてくれている人がいる

平成27年に就農した田渕さんは学生時代スピードスケート選手として活躍。実はスケート選手には農家出身者が多く、将来の職業に農業を選んだ仲間が全国にいるのだそう。同じ道を歩む者同士、強い仲間意識でつながった友人たちとは今も密接な交流を持ち、それぞれ自分の作った作物を交換し合う。秋に収穫する常呂町産の玉ねぎは、長期間鮮度が保たれ傷みにくいと評判で、「今年も待っているよ」と直接声が届くのが嬉しいとのこと。各地で活躍する友人たちと、同じ農業者として常に自分も肩を並べる存在でありたいと思いながら日々作業に励んでいます。

家族・地域の事

今は両親と仕事をしており、この秋には初めての子どもが生まれる予定です。自分も子供の頃そうだったように、子供にとって身近に両親や祖父母がいる環境で育てられることが嬉しく思います。農業は、朝畑に行って昼食で家に戻ることができる。その時に家族で過ごし、子供の日々の成長を見守ることができるのが今から楽しみなんです。ゆとりある環境で子育てに専念でき、妻にとっても安心できる地域なんじゃないでしょうか。
JAところはオホーツク管内では一番小さな組織。にもかかわらず、若い農業者が多く、就農している同級生も多いんです。同級生は、仲間でもありライバルでもありますが、普段から最新の栽培技術や、家庭の事などもこまめに情報交換をして、家族ぐるみで付き合っているので心強いですし、自分も家庭を持ったことで、常呂町の若い世代の農業者は大家族の家庭も多く、子育ての環境が整った豊かな地域であると気がつきました。

これまでの【生産者の声】はこちら

常呂町玉葱振興会会長 清井兼太郎さん

常呂の玉ねぎをより愛してもらうための活動を計画中

振興会は誕生してから50数年の歴史があり、現在、ところ町内の玉ねぎ農家、40軒以上が所属しています。会としては「玉ねぎの品質・収量の維持と向上」が目指すところです。会員全員の畑で今以上に良い玉ねぎが収穫できることを目指しています。
そのために日ごろから会員同士の情報交換を密に行い、農作業のない時期は種苗や肥料メーカーの方などを招いた勉強会、会員10数名で海を渡り各地の市場の方に話を伺って全体にフィードバックして、品質や栽培技術の向上への意識・知識を高めているんですよ。
玉ねぎは、天候に大きく影響を受ける作物。思った通りに育たない年もあれば、その逆に豊作になることもあります。自然条件は我々の思うようにはなりませんからね。でも「人間のできることは全部やろう!」と毎年強い気持ちで臨んでいます。私たちは玉ねぎを育てていますが、「玉ねぎが私たちを育ててくれている」という感謝の気持ちで仕事に取り組んでいるんですよ。
振興会としては今後、消費者のみなさんにところ町の玉ねぎについてもっと知って頂きたいと考えています。スーパーなど店頭に並んでいる商品の姿だけでなく、それがどんな過程を経てここにたどり着いたのかがわかるような動画を作成・公開したいですね。玉ねぎ、そしてところ町のことを全国に知ってもらい、愛してもらえるように努力を続けていきます。清井会長のブログ掲載【生産者の声】記事はこちら

会長の清井さん
常呂町玉葱振興会のみなさん

玉ねぎ専用!新施設紹介

作業効率を向上し、新鮮な玉ねぎを全国へ

常呂町の玉ねぎ生産者が長年、待ち望んでいた『玉葱茎葉処理施設』を北見市常呂町土佐のJAところ玉葱選果場敷地内に建設しています。この施設では、組合員とJAが協力し収穫直後の茎葉付き玉ねぎのタッピング作業(※)を行うもので、生産者の作業負担を削減し、玉ねぎの作付面積を維持することを目的としています。
JAところの川上和則組合長は「これまで生産者とJAが一体となって品質の高位平準化と安定生産に取り組んできましたが、昨今の生産資材価格の高騰や担い手不足なども相まって、一戸あたりの経営面積が年々増加したことで生産過程での負担増加/生産性低下の懸念がありました。本施設の稼働によって、労働力の削減と販売額の向上、そして生産者のモチベーションを高めていきたいと考えています。そして『北見玉ねぎ』の産地として、消費者の皆さんへ安全安心な玉ねぎの安定供給を図ることが我々生産者・JAの使命である」と述べています。
施設稼働後は一日当たり約200基分のコンテナを処理することが可能で、8月上旬から始まる早出し出荷の強化が期待されています。また、集約化による環境負荷の低減によって、持続可能な循環農業に貢献し、生産基盤を次世代へと引き継ぐ取り組みの一つであると考えています。
※タッピング作業:収穫した玉ねぎから余分な茎葉根を取り除く作業。この作業により美しい見た目に整えることで、消費者へのアピールにつながります

完成予想図
2024年8月段階の様子