【生産者の声】収穫真っ盛り!常呂町産北見玉ねぎのひみつ①

常呂町玉葱振興会青年部の羽石遼祐部長が、一般消費者の方々へ向けて常呂町産「北見玉ねぎ」について紹介するシリーズ企画を3回の予定で掲載します。

第1回は、いよいよ始まった令和6年産北見玉ねぎの収穫風景をご紹介しつつ、常呂町産北見玉ねぎの特長や玉葱振興会青年部(=玉青)の活動をご紹介します。

収穫機械で作業中の羽石部長(R6.8撮影)

■常呂町産北見玉ねぎの特長と若手農家の取り組み

「北見玉ねぎ」の特長は、何と言っても乾燥の行き届いた玉締まりの良さ。常呂町は雨量が少なく道内では日照時間が長めで乾燥傾向にあります。そのような気候を生かし、根を切ったあと畑で十分に風乾させてから収穫することで、高品質でかつ高い貯蔵性を保つことができます。常呂町産の「北見玉ねぎ」が、長期間出荷することが可能なのはこのためです。

玉ねぎは、家庭料理はもちろん、様々な加工食品や外食産業に欠かすことができない食材ですから、私たち生産者は食の担い手として「北見玉ねぎ」を安定供給するための体制を長年にわたって整えてきました。

また、玉葱振興会青年部(通称:玉青)では、栽培技術向上のために最新のテクニックを学び、新品種の栽培試験等を通じて実践的な調査研究を行っています。経営者である親元で修業中の若い農業者を中心に構成する玉青は、設立から50年以上の歴史を持つ組織で、現在の玉ねぎ栽培技術の基礎を築いてきました。先輩方の功績に感謝しつつ、今度は私たち若い世代の玉青が、消費者の皆さんの「おいしい」に繋がる品質向上や栽培技術の発展を目指していけたら嬉しいですね。

先日、玉ねぎや小麦の収穫で忙しい中、先輩世代である親の応援と理解もあり、部員が集まって「収量調査」を行いました。玉青は地域を超えた農業の仲間づくりの場でもあるので、ぜひ活動に積極的に参加し、部員同士が絆を深めて、時には競争し、信頼し合える良い関係を築いていってくれればいいなと思います。

一定面積から収穫した玉ねぎの大きさや数量、品質を比較する「収量調査」を行いました(R6.7撮影)

集まった玉青部員が普及センターやJA営農推進室と協力して、規格板を使って大きさごとに分け、記録したのち結果を考察します

■異なる品種を組み合わせて、長期出荷のひみつ 早生~中生~中晩生

常呂町で栽培している北見玉ねぎは、おおまかに7月下旬から収穫する「早生(わせ)」続いて8月「中生(なかて)」、8月中・下旬の「中晩生(ちゅうばんせい)」と異なる品種を栽培しています。私は「ところピンクにんにく」と秋まき小麦も栽培していて玉ねぎの収穫と時期が重複する作業もあるので、なるべく重ならないよう組み合わせて栽培し、状態を見ながら適期作業を心がけています。

一番早く収穫する「早生」は成長期間が短く早く収穫することができ、瑞々しく辛味が少なくさっぱりとした食感が特徴です。水分が多く長期保存には適さないので、夏らしい季節感のある食べ方をするのがおすすめですね。私の家では、玉ねぎに大きく切れ目を入れてまるごとレンジで加熱し、ポン酢をかけてサッパリとした温野菜サラダにして食べたりしています。

収穫したばかりの令和6年産は、8月3日から出荷が始まっています。今年は色つやもよくおいしい玉ねぎができました!もしお店で見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね!

一方、「中晩生」は、晩秋から翌春にかけて全国に出荷しています。球がしっかりと締まっていて皮の層が厚く、球に密着しているため収穫や出荷する際にも痛みにくいのが特徴で、高品質を長く保つことができます。水分が少ないので辛味を強く感じるかもしれませんが、これは貯蔵性の高さゆえ。繊維もしっかりしているので、シチューやカレーなどじっくりと煮込んで玉ねぎの甘みを引き出す料理がおすすめですよ!

早生品種は外皮の色が薄いのが特徴の一つ。早生には「極早生」「超極早生」もあります!

第2回では、生産農家が行っている「タッピング機上選別」とは?そして玉葱選果場操業の様子をご紹介します。

■常呂町産玉ねぎinformation
■これまでの玉ねぎ「生産者の声」